タートルグラフィックスで「納品体験」
毎年恒例の1dayインターンですが、前年まで実施していた「レゴで学ぶスクラム」はコロナ対策の為 実施不可能になってしまいました。好評だったのに残念です…
レゴスクラムは元ネタが存在するため楽だったのですが、前例のない状況下ですので自分で考えなくてはなりません。 頭を捻った末に生まれたのがこの「タートルグラフィックスで納品体験」です。
概要
Scratchでタートルグラフィックスを作り、それをクリスマスツリーに飾ります。
使うツール
スライド
目的
- forループを使って成果物を作る
- 見積もりを体験する
- ペアプログラミングを体験する
対象
- プログラミング未経験者2~4名
- ペアプロを実施するために偶数名が望ましいです。
- 所要時間1.5時間ほど
準備
- プロジェクター(主催者のPCを映す)
- 人数分のPC
- 大きめの正方形の付箋
- ホワイトボード
流れ
1. 準備運動
- まずScratchの使い方を学んでもらいます。Code.orgの#5あたりまで進めます。
- Code.orgの#10を開き、自由な図形を描けるようにします。
- 主催者はタートル配置ツールをプロジェクターに映しておきます。
2. ツリーのアイデア出し
- ホワイトボードにクリスマスツリーを書き、メンバーに好きにオーナメントを書いてもらいます。合計10個くらいあると良いと思います。
- オーナメントを大きめの付箋に転記してもらい、ホワイトボードに張り出します。簡単・難しいで分けておくと良いでしょう。
3. 計画
- 10分間の時間制限を設けることを説明します。
- メンバーの名前で区切りを作り、メンバー間で相談し10分間でできそうな量をアサインしてもらいます。
4. 作業
- Code.org上に図形を作ってもらいます。
- 10分タイマーをスタートし、各自作業を実施します。
5. 納品
- 作成が完了したら、納品に移ります。
- エディタ右上の「コードの表示」からJavaScriptコードを出力できますので、コピーしてもらってください。
- チャットツール等で納品コードを主催者に送ってもらいます。
- タートル配置ツールを使い、オーナメントを指定の位置に配置してください。
6. タイムボックスを繰り返す
- 10分間を繰り返します。
- 10分間の作業が完了するたびに、作業の見直しを行ってください。
- 予定に無理があれば、作るオーナメントを変更しても問題ありません。
- オーナメント自体の形状を見直してもよいでしょう。
7. ペアプログラミング
- タイムボックスを2度ほど回したタイミングで、作業者とアドバイスをする人でペアを作り、共同作業で一つのオーナメントを作ってもらいます。
- ホワイトボードを使うように誘導すると連携が生まれやすいです。
8. まとめ
- それぞれ、感想を言ってもらいましょう。
- ワークショップを通じて、作業の振り分けや見積もりが可能になっているはずですので、その点に言及します。
- 最後に、ツリーの出来栄え、メンバーの努力とアイデアを称賛しましょう。そもそも初めて使うツールで、やったことのないタートルグラフィックスを使って手探りで成果物を作れたというのは素晴らしいことです。達成率や形状の美しさは二の次です。
Tips
オーナメントのアイデア出しで数を出すための工夫
- アイデア出しのコツは、出たアイデアを批評せず受け入れることです。
- 「渋谷に飾るクリスマスツリーだから」などと言っておくと、オーナメントのネタ出しがしやすくなります。
- 作る時のことを考えて単純な形を選びがちですが、自由な発想で書くように誘導してください。
- 難しい形状ばかりになってしまった時は、詰まってしまったときの逃げ道として簡単な形状を人数分足してあげてください。
注意点
- 見積もり体験がこのワークショップの目的です。作業スピードや品質などは目的ではないので、言及するときにはメンバーに対する攻撃にならないよう注意してください。
- 個々人の適正や慣れにより作業スピードは大きく異なります。優劣を付けるようなことを言うべきではありませんし、むしろフォローしてあげてください。
- タスクの完遂にこだわらないでください。形状により大きく難易度が変わるので、たいてい無理です。
- ペアプログラミングが一番盛り上がります。これはフラットな関係がキーになっているようで、主催者が上から介入するとたいてい盛り下がりますので注意してください。
その他技術的なこと
- タートル配置ツールは内製ツールです。Code.orgの吐くコードに対応するAPIを自前実装しています。色変え・線替え・スタンプなどには対応していません。